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私は決めかねている

彼女に明日発つ事を言うか如何かを

もしかしたら生きて戻って来れないかもしれない

そんな事はとうに分かっていたが、彼女との今までの時間を思い出すと決断が鈍ってしまう

 

ケイカ「(弱くなったな、私も・・・)」

 

夜空を仰ぎ見て一人物思いに耽る

闇夜に煌く無数の星粒が自己主張の様に瞬いている

昔彼女にあの星の一つを贈るなんてロマンのある言葉を言った事を思い出す

今考えると自分にしてはかなりクサい言葉を吐いた物だ

 

ステラ「ケイカ」

 

気付くと私の目の前には彼女が居た

その顔は何処か寂しげで、何処か諦めのついている感じだった

彼女には何でもお見通しだな、と小さく笑みを零して正面から見詰める

 

ケイカ「ステラ、話がある。いいかい?」

 

無言の肯定

私は明日セストを討つ為に街を発つ事を話した

彼女は何を言ってくるだろうか

行かないでくれと言うか、生きて戻って来てと言うか

だが、彼女が紡いだ言葉はそのどれでもなかった

 

ステラ「私の事を心配しているのなら大丈夫よ。貴女は何時かは私の隣から消えてしまう事も分かってたもの」

 

確かにその事は彼女と一緒になる時に告げていた

私の存在理由と何時か来るであろう結末

愛し合うが故に決して一緒に朽ちる事は出来ない運命

例え私が魔族で無かったとしても、私の結末は彼女の前から消える事だ

最初から解っていて、それでも付いて来てくれた

自覚は無かったが私は結構な幸せ者なんじゃないだろうか

それまでの経緯はともかくとして

 

ステラ「ケイカ、愛しているわ」

 

ケイカ「うん、私もステラの事愛してる」

 

心の底から愛してる

だから・・・永久(とわ)にさよなら、愛しい人

 

 

第二片

「永久に結ばれぬ愛」

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