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懐かしい温もりを感じた

忘れる事の出来ない母の胸の中と同じ温もり

頬に風を感じる

撫でる様な柔らかい風の心地良さに私は目を覚ました

 

【Se-sT -第二章-】

 

「~♪~~♪」

 

耳をくすぐる歌が聞こえる

見慣れた天井が見える

白い壁紙と小さいながらもよく入る家具

上体を起こして一息吐く

この街に入ってからの記憶があやふやだ

入り口を抜けた事は覚えているが、この家に着いた時の事は正直覚えていない

寝起きの頭で考えていると声が掛かった

 

「おはよう、ケイカ。昨夜の記憶はあるかしら?」

 

ケイカ「いや、正直覚えてない。私は如何やってここまで辿り着いたんだ?」

 

「ダスクが運んで来たのよ、道端に倒れていたから凄く驚いたって言っていたわ」

 

ケイカ「・・・ふむ、眠気に勝てなかったという事か」

 

「お腹も減ってるでしょ?今作ってるからもうちょっと待ってね」

 

そうか、それなら先程の鼻歌も合点がいく

元々私に食べさせる為に作っていたんだろう

 

「・・・あ、そういえば言ってなかったわね。お帰り、ケイカ」

 

陽だまりの様な微笑みで言う彼女に私は同じく微笑みで返す

 

ケイカ「うん、ただいまステラ」

 

 

第一片

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